フレッシュ・ピュア 30周年記念コンサート（11月8日）

友よ　　フレッシュ・ピュア30周年記念コンサートに
寄せて一冊の本より、一枚の絵画より、心に残る一曲の
出会いを求めて。

緊張が支配する中、舞台裏で開演のベルが鳴った。

大きな深呼吸ひとつして　いざ風が気持ちいい丘と見立
てた舞台へ。

フレッシュ・ピュア30周年記念コンサートの幕は開いた。

指揮者の息使いを感じ、ピアニストの指先を感じ、隣、
前、後の仲間を感じ、一曲目「風になりたい」そして
「未来へ」と「寺嶋陸也の世界」は進んでいく。

通常練習に加え、臨時練習　どれだけ時間と情熱を
かけてきたのだろうか。

しかし、本番は一度きり。あっという間に、寺嶋先生
編曲の昔懐かしい童謡唱歌へと進む頃、客席に目を
やれば、いっぱいのお客様。友がこちらを見ている
ような気がした。年を重ねた今だからこそ心に響く
大切な言葉を感じながら100年前に想いを寄せて歌った。

第二部は鈴木敏史の詩による「朝顔の苗」から全6曲

寺嶋先生の繊細な旋律に最初は尻込みしていた私たち
だったが、何度も歌っているうちに詩の素晴らしさは
勿論の事、メロディーと共に浮かび上がるその映像を
体感する。

見上げた空には満天の星、虫の声を聴くとあの懐かしい
お父さんとお母さんの姿、幸せ色をもらって幸せいっぱ
いに羽を広げ躍動するカワセミ、献身的に形を変える
ふろしき、私たちはこれらの曲の優しさに包まれて，
失くしていた新鮮な気持ちを取り戻した。

まさにフレッシュ・ピュアが主宰酒井沃子の企画で実現
してきた作曲家との直接の出会いから生まれるその独特
の世界感に触れる醍醐味であった。

そして、そして、

最後は宮崎駿アニメ名曲集から「君をのせて」「さくら
んぼの実る頃」「世界の約束」の3曲

指揮は酒井沃子先生、寺嶋陸也先生のピアノに合わせて
歌える幸せは言葉では言い表せない程。

谷川俊太郎の詩に宇宙の片隅で生きる愛おしい命の連鎖
に勇気をもらった私たち。

アンコール曲の「カントリーロード」が終わると大きな
拍手を頂き、私たちの公演は終了した。

今回、多くの方々のご協力を得て、30周年を無事終える
ことが出来ました。

足を運んで下さいました皆様本当にありがとうございま
した。

酒井先生、末松先生、恵川先生、スタッフの方々に心より
御礼申し上げます。

　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　（ソプラノ：記）